◎水源の森100選(林野庁指定)
◎日本重要湿地500(環境省指定)
◎水源涵養保安林(滋賀県指定)
◎ミツガシワ等生育地保護区(県条例)


どこにある?


  • 滋賀県北部の長浜市西浅井町山門(やまかど)にあります。
  • かつては山門、中、庄の3集落の共有林で、炭や薪を作るために利用されてきた里山です。
  • 里山の森に囲まれて、県内最大級の湿原があり、特徴ある生態系が広がっています。

どんなところ?

復元した炭焼き小屋

 1960年代まで生産されていた炭は京阪神に出荷され、この地域の生活を支えてきました。その当時は森もよく手入れされていましたが、その後森は放置され、里山としての環境は失われていました。

 

 現在は、「山門水源の森を次の世代に引き継ぐ会」を中心に保全や復元が進められていますが、シカやイノシシなどによる獣害が深刻で、対策に追われています。

地理・気候の特徴

ブナとアカガシが一緒に写るショット
  • 日本海に近く、冬は北陸型の気候で、2mを越す積雪がある年もあります。
  • 太平洋、瀬戸内海にも近く、盆地型の地形で、夏は暑く多湿です。

 このような気候を反映して、寒地性と暖地性の植物が多様な植生を作っています。代表的な例として、寒い気候を好むブナと暖かい気候を好むアカガシとが枝を交わして同居している姿が見られます。(左写真:上はブナ、下半分はアカガシ)このような多様な植生は、さまざまな昆虫や動物たちの命をも支えています。また、森に囲まれるようにして大きな湿原があり、多くの湿生の植物や水生昆虫、両生類などが生息し、生態系を一層豊かにしています。

山門湿原の特徴

ミツガシワ
  • 湿原は地震による断層活動で形ができ、起源は約4万年前にさかのぼります。
  • ミズゴケが堆積した泥炭層からなり、強い酸性と貧栄養の湿原で、氷河期から生きるミツガシワ(左写真)をはじめとして、クサレダマ、トキソウ、サギソウなど貴重な植物の宝庫です。

 2008年、滋賀県の条例で「山門湿原ミツガシワ等生育地保護区」に指定されました。この指定は、山門湿原で湿生および水生の希少植物11種が確認され、これらの植物の存続上重要な区域であることによるものです。

保護指定対象種(11種)

クサレダマ

トキソウ

ヒメタヌキモ

ミツガシワ

アギナシ

サギソウ

セイタカハイリ

ヒツジグサ

ヒメミクリ

ヤチスギラン

ミカヅキグサ

 

滋賀県レッドデータブック2015年版カテゴリー

絶滅危機増大種
希少種
分布上重要種
その他重要種


水源の森としての働き


  • 琵琶湖は、淀川水系1400万人の大切な水源です。
  • 「山門水源の森」は琵琶湖へ水を供給しています。
  • この森から流れ出る大浦川で、琵琶湖の固有種であるビワマスの産卵が盛んに行われており、水源の森として健全な保全の重要性が増しています。
ブナ林

 この森にはブナの群生地があります。ブナは水分を多く含むため建築材として利用されず,無用扱いされてきました。近年、ブナは水源をまもる木として注目されるようになり、ブナ林の保全に関心が高まっています。