無粋も見方を変えれば…(2019/09/30)
山門水源の森は貴重な植物の宝庫。要所に保護ネットを設置しています。できるだけ景観を損ねないよう配慮しているつもりですが、「見苦しい」「自然景観を損ねる」といったお𠮟りも。しかし、そのネットのおかげで色々な生態を観察できます。何よりも目の前で自然の営みを感じることができます。少し見方を変えて自然の楽しみを見つけてください。10月26日には保護ネット観察会もあります。
【画像左】ササユリ保護ネットを這いあがったツルニンジン(別名ジイソブ)。美しさや形の面白さが手で触れながら見られます。
【画像中】そのツルニンジンに来たコガタスズメバチ。そろそろスズメバチが攻撃的になってくる季節ですが、蜜を吸うのに夢中です。これだけ大きな昆虫が花の中に入り込めば花粉が体につき、受粉に役立つのではないでしょうか。
【画像右】ネットの網目に張ったゴミグモの網。一般的に「クモの巣」と呼ばれます。さて巣の主はどこでしょうか?主は、ゴミの中です。
(森の案内人X)
(2019/09/29)
【画像左】黄葉が始まりました。
【画像中】付属湿地では、キタテハがたくさん飛んでいました。
【画像右】アケボノソウ
(Tomioka、Murata)
研究者もちょっとびっくり! ニシキゴロモの色々(2019/09/28)
今年はニシキゴロモがたくさん咲きました。図鑑によれば日本固有種で花期は4-5月。しかし、間もなく10月という時期でも咲いています。しかも色がピンク系、白、青と3色同時です。別種かと思い、植物に詳しい会員にお聞きし、分類研究者に問い合わせていただきました。
すると「3種ともニシキゴロモ。花の色の変種が多い種類であるが、同じ地域にこれだけ変異があるのはちょっとびっくり…」とのコメントをいただきました。植物は面白いがむつかしい…。
【画像左】図鑑を見ると出てくるニシキゴロモ。紅紫色。今日、この色だけは見つからず、9/24の画像。
【画像中】図鑑によってはシロバナニシキゴロモとあるが、同じものかはわからない。
【画像右】青い花のニシキゴロモ。
(森の案内人X)
山門水源の森は苔のパラダイス(19/09/27)
山門水源の森には、これまでの調査で100種を超えるコケのあることが 分かっています。湿原は今草で被われていますが、その下には オオミズゴケやハリミズゴケがカーペットのように張り付いています。 沢沿いの岩・木々の幹・朽木にと様々なものに付着している苔は カメラアングルによって奇妙な景観を切り取ることも出来ます。
(Fujimoto)
(2019/09/26)
(Tomioka)
森の中で昼食を摂りながら中国の学生と歓談(19/09/25)
学生は弁当(コンビニで買った物)を持ってきているというので、 森の中で歓談しながら昼食としました。2時間ほど歩いただけで この森が気に入ったのでここで働きたいという学生も。給料は 出せないのだがと言うと、給料は無くても良いと勇ましい学生。 こんな学生に来てもらいたいものだが、ビザの問題が・・
野生動物のミネラル補給所を是非観たいというので、四季の森 の補給所へ案内しましたが、未だ繁殖期には早く利用はされていませんでした。
・森の中で昼食(左)
・ミネラル補給所(中)
・オオオニテングタケ(右)
(Fujimoto)
秋の花々が咲き始めました(19/09/23)
湿原側は紅葉が進んできたことが分かりますが、日照時間が 少ない四季の森の紅葉には未だ相当な時間が必要です。
・四季の森(左)
・エゾリンドウとサワシロギク(中)
・ミヤコアザミの訪虫を待ち構えるオオカマキリ(右)
(Fujimoto)
ハグマの仲間も見頃になってきた・・・(19/09/21)
この森にはハグマの仲間が3種分布しています。 カシワバハグマ・オクモミジバハグマ・クルマバハグマです。 しかし、クルマバハグマはシカの食害で未だ再生していません。 オクモミジバハグマは草丈も低く、花もちいさいのですが、 よくよく見ると実に変化に富む花です。
・オクモミジバハグマ(左)
・カシワバハグマ(中)
・色づきだしたクリ(右)
(Fujimoto)
乾燥した森にも、忍び寄る秋を感じさせる光景あちこちに(19/09/18)
湿原のススキは穂が白み始め、マルバハギやホツツジが開花。 ササユリの朔果も心なしか色づいたものがあります。
しかし、樹冠を見上げると未だ紅葉には早く、ヒグラシも鳴いています。
・色づき始めたササユリの朔果(左)
・コナラ、コハウチワカエデは未だ紅葉には早い(中)
・堅いユキバタツバキの葉を食するチャドクガ(右)
(Fujimoto)
乾燥した森ではキノコも乾燥標本のよう・・(19/09/16)
森は乾燥しきっており、林床のキノコの新たな発生は少なく、 既に発生したものは乾燥標本のようになっている。分解速度が 遅く1週間以上も見られるキノコもある。
次のキノコのために一雨欲しいところ。
・コガネヤマドリ(左)
・獲物に食いつくナガコガネグモ(中)
・ヤマジノホトトギス(右)
(Fujimoto)
秋本番前の一日(2019/09/14)
中秋の名月も過ぎ、秋本番に差し掛かる頃。今日は猛暑もおさまり、13時ころのブナの森では気温27度、湿度54%、さわやかで快適な一日でした。
【画像左】ビューポイント「大窓」からの景観。伊吹山から琵琶湖塩津湾を経て大浦湾がくっきりと見えました。最近ではちょっと珍しい空気感。手前の木々の葉は少し秋めいた感じでした。
【画像中】色づき始めたナナカマドの実。今年は実の数が多く、台風被害がなければ赤い実と紅葉が楽しめそうです。
【画像右】ジョロウグモ。腹部が赤くなり、成熟期に。近くには交尾のチャンスをうかがう目立たないオスが待ちます。
(森の案内人X)
次の世代に命をつなぐ森の生きものの多彩な営み(19/09/13)
多種多様な生きものの息づく森も冬を迎える前に、次の世代へ 引き継ぐための準備を進めています。個々の営みを観ると命の 尊さに感じ入ります。
・充実して赤味が増したツチアケビ(左)
・アブラガヤにトリノフンダマシの卵嚢(中)
・胞子飛散準備完了のコガネヤマドリ(右)
(Fujimoto)
ナラタケモドキが至るところで発生・・・(19/09/12)
林床に発生を続けるイグチの仲間に続いて、テングタケの仲間の発生も 目立つようになってきました。また、森の至る所にナラタケモドキが発生し、 余りの多さに、ついつい踏み付けてしまいそうになる状態です。
写真は全てナラタケモドキです。
(Fujimoto)
(2019/09/11)
(Tomioka)
高温続きだが空は碧く秋のたたずまい(19/09/10)
碧い空にミヤマウメモドキの赤い実が映え、気温のことを 考えなければ「秋」。林床では相変わらずイグチの仲間を中心に キノコの発生が続いている。
・青空に映えるミヤマウメモドキ(左)
・ハイカグラテングタケ(中)
・ホオベニシロアシイグチ(右)
(Fujimoto)
(2019/09/09)
(Tomioka)
京都樹木の会の皆さんの観察会(2019/09/08)
台風15号接近で天候を心配しながらの企画、なんと見事な晴天に恵まれたまでは良かったのですが、季節外れの暑さに見舞われた観察会。しかし、尾根筋では台風の余波か、さわやかな風が汗ばんだ肌に気持ちよく、快適な観察会に。知識豊富の皆さんにガイドもたじたじ、教えていただくこともあり、充実した一日でした。
【画像左】出発前には「転倒予防」の準備体操。大変参考になりました。自分も気をつけねば…。
【画像中】北尾根で見つけた大型のイグチ系キノコの観察。傘の直径約15cmでピンク色を帯びたきれいなキノコ。周辺には大小数本まとまって出ており、撮影会に。
【画像右】下山途中にはヒノキの割り木を楽舎前まで運搬。お疲れのところご協力いただき、大変ありがとうございました。
(森の案内人X)
イグチの仲間が林床に次々と・・・(19/09/07)
この時期のキノコは圧倒的にイグチの仲間が多い。
色合いも形態もさまざまでついついシャッターを切ってしまう。 幼菌・成菌・老菌・傘の裏の色合い・柄の文様と観るところは多い。
・ニガイグチモドキ(左)
・ホオベニシロアシイグチ・幼菌(中)
・クリイロイグチ(右)
(Fujimoto)
(19/09/06)
(Tomioka)
遅れていた大型キノコ大発生(19/09/05)
大型キノコの発生が少なく、今年は・・・と心配していましたが、今日はイグチの仲間を中心に多くのキノコが発生しました。
これからしばらくはキノコの観察に目が離せません。
・コガネヤマドリ(左)
・コシロオニタケ(中)
・ハイカグラテングタケ(右)
(Fujimoto)
(19/09/05)
9月3日~27日
滋賀銀行 守山支店でポスター展示を行っています。
秋の気配がひたひたと忍び寄ってきました(19/09/03)
9月に入ったとはいえ、今日は蒸し暑い1日でした。しかし、 森の中はやっぱり秋を感じる気配が確実に進んでいます。 湿原のミヤマウメモドキの色合いも日増しに赤さを増し、 カシワバハグマも咲き出しました。変形菌もあちこちで見られる ようになりました。未だ大型のキノコの発生は今イチです。
・カシワバハグマ(左)
・ヤシヤイグチ(中)
・今日も多数が上陸するモリアオガエルの幼体(右)
(Fujimoto)
(2019/09/03)
9月5日から長浜市湖北町速水にある「つむぎカフェ」に奥びわ湖・山門水源の森のガイドブックなどを置かせてもらっています。( 長浜市湖北町速水1294-1 国道8号線 沿い「せんたくや速水店」隣 。定休日:毎週水曜日・第2・4火曜日)
(Murata)
(2019/09/02)
(Tomioka)
作業の合間に(2019/09/01)
台風被害が残る、ブナ植栽地周辺の整理作業中、ブナ保護ネット内で見られたものです。 シカなどによる食害で裸地になっていた場所ですが、様々な植生が回復してきています。
【画像左】サンショウの実生。山門の森ではカラスザンショウは多く見かけますが、サンショウは限られています。この実生の近くでも「親」は見られないため、野鳥が運んできたのでしょう。
【画像中】シロバナニシキゴロモ。花期は5〜6月頃ですが、継続して花を咲かせています。落ち着かない気候のせいでしょうか。
【画像右】見慣れない「ガ」。特異な形が印象的ですが、翅を広げた大きさが1cm、トリバガ科の一種と思われます。
(森の案内人X)
これより前の情報は、パソコンでは画面右側の「情報(◯年◯月)」をご覧ください。
持続可能な開発目標(SDGs)(「開発」目標を山門では「持続可能性の具現化」と読み替えています)